剣町柳一郎の日々のつぶやきや愛読書、歴史エッセイなど楽書きしていきます。

金沢城下ものがたり「鞘師勘兵衛の義」

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 時雨の中に霙が入り混じる頃、熊本鎮台や萩の方で士族が乱を起こしたことが、金沢にも伝わってきた。と同時に、壮士風の男が反りの浅い、細めの刃身の差料を手に、勘兵衛を訪れ、「仕込み杖をつくってくれ」と依頼する日が続いた。なかには図を描いてきて、柄をばねで止めたからくり様を口にする者もいた。勘兵衛はことごとく断わった。「鞘師は杖をつくらず。杖は魂を支えず、体を支えるものだ」六尺の体でそう怒鳴ると、たいていの者はあわてて逃げ出した。「鞘師勘兵衛の義」より

 詩情豊かな金沢城下を舞台にした時代小説

 帯刀禁止令が出て、金沢城下に生きる鞘師の勘兵衛は暇になるが、運が良いことに、本阿弥喜三次が持ってきた仕事で相州伝正宗の鞘をつくることになる。
 県の大属に出世した出島加兵衛を相手に、以前、友人の鞘師新三郎が濡れ切れをきせられて、彼に自刃させられたことへの義を行なう物語。勘兵衛が鞘に仕掛けたこととは…。やがて、勘兵衛は元薩摩の武士で示現流をつかう巡査・鬼鉄と才川で果し合う。その他、加賀獅子頭を彫る菊三、盆をはる羽目になる勇次、酒造り番付で関脇になる幸助、大鼓師の嫁に入るなみ女、盗人に入るがやがて養子に迎えられる栄次の物語、金沢城下の四季を背景に展開される作品集。二〇〇九年度ちよだ文学賞優秀賞受賞作など収録。

 金沢城下ものがたり「鞘師勘兵衛の義」

B六版 350ページ 定価 1,500円

取扱書店/金沢うつのみや書店、北国書林各店、金沢大和紀伊国屋書店、
明文堂野々市書店、文苑堂各店。

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