新聞で「終戦の詔」を読んだことを前に書いたが、
全文を読んだのは本当にはじめて。何度も読み返す。
「耐え難きを耐え、忍びがたきを忍び」だけが、
映画やテレビドラマでよく出てくるせいか、よく知られている。
我慢しなさいということだろうが、嘗胆までは言っていない。
臥薪嘗胆という四文字熟語、いや故事がある。
これは、受けた屈辱を忘れないと言う意味だ。
中国の春秋時代、越王の勾践に父を討たれた呉王の夫差が
常に薪の上に寝て復讐の志を奮い立たせ,ついに仇を報いた。
敗れた勾践は室内に胆(熊の胆)をかけて、これを嘗め続け,
その苦さで敗戦の屈辱を思い出し、夫差を滅ぼしたという故事。
「終戦の詔」では、敗戦は屈辱とは言っていない。
ここが大切な部分だ。「終戦の詔」を通して読むと、
安保法案が話題になっているこの時期に「詔」を見直すことは
つくづく大切なことだと思う。
平和を実現しようという心や戦争の継続が日本民族の滅亡でなく、
人類文明の滅亡をまねくとは、納得させられる。こうした視点で、
敗戦をとらえていたことの謙虚さには今さらながら心が動かされる。
負けたから生じた謙虚さではない。
道を誤り、世界の信用を失うようなことは、
最も戒めるところだとも書かれている。
平和を望む意味からでも、残暑が厳しい中、
とりわけ若い人には何度も読んでもらいたいものだ。