友人が送って来た「私撰百歌集」。
しばし、ことばの宇宙に遊んで欲しい旨の言葉を添えて。
西行、馬場あき子からはじまり、寺山修司、額田王まで、
古今の歌詠みから好みの歌を選んで、パソコンで打ち、
コピーして編集。手作りで何冊こしらえたのか、知らないが、
「春、夏、秋、冬、雑、哀傷、恋、家族」を副題に歌を集めている。
総34ページ。知っている名、聞いたことも無い名。
歌を口ずさむと、彼の好みがわかり、
選んだ人の生き方や感性が忍ばれるから不思議だ。
選ぶことも、作ることに他ならないようだ。
愉しい時間の作り方をして、つれずれなるままに
遊んでいるなあと思う。Kさんらしい。
早めに退職し、無聊を慰めている人だ。
いま、わたしは私家版歌集の編集を恃まれてしている。
その歌人は「わたしは名の或る歌人でもないので、
ひとつ、ふたつ気に入った歌を知ってもらえば、それでいい」と
書かれている。歌はわかりやすいものをこころがけて
つくってきたとも。歌が時代と一生を描いているとも思われる。
歌は日本語の美しさを伝える韻文である。俳句や詩以上に。
そんな気がする。人は、最後には「和歌」に還るともいう。
彼の「私撰百歌集」には、読み人知らずの歌も幾首も入っている。
わたしは、それはKさんの歌ではないかと、ひそかに思うことにした。
「私撰百句集」「私撰百詩集」「私撰百短編集」。
いろいろ手作りで、遊べるではありませんか。お試しください。