今、S氏の不起訴とテレビが伝えている。

上からの圧力は、法曹界に及んだのか。藪の中である。

テレビ番組の世界でもすっきりとしたエンディングが用意されているが。

ハリウッドでは、大統領の陰謀が社会にさらされる映画が作られている。

今更ながら、アメリカはすごいことだと思う。

ところが、日本丸は彷徨いながら、安全航海。陰謀は陰謀とされない。

起訴された者は、「ソラみたことか、フン」と言ったところだろう。

読み終えた夜想曲。カズオ・イシグロの短編集「夜想曲」のことを書こう。

ノーベル平和賞を以前、某国の首相がもらっていたので、

ま、権威ある賞ぐらいと思っていた。

が、どっこい。読んだら素晴らしい小説だったのだ。

繊細な男女の関係がセリフを通して伝わってくる。

「老歌手」「降っても晴れても」「夜想曲」「チェリスト」。

なんてことはない、全て心に忍び込むような短編だ。

可笑しさをにじませ、それでいて深い。

文体は翻訳本のものだが、日本の作家の文章と違って新鮮味がある。

モノクロ映画を見るような切なさ、若かった頃の思い出、失われる機会、

夢と音楽。今まで親しんできた作家とは一線を引く新鮮さがあった。

男女の間を描くとは、こう言うことだったのだと思った。

まるで、チェーホフの短編の味がある。

ドラマチックでないドラマというしかない。

しばし、日本丸が現実で行われつつあることを忘れた。