「雲が白く空が重い日だ。
私はヨーロッパから帰った時に初めて君の墓に行く。
そのとき、君はすでに泡ではなく、一本の杭の棒になっているのだろう。
私はその杭の周りを三度回る。花も捧げず、水も手向けず、
ただ君の杭を三度回って去ろう。その時、私は君の土臭い影をかいで、
君の定かでは無くなっているものが何だろうかを見てみよう」
これは、漱石が子規の死に対する哀切に満ちた言葉。
伊集院静氏の小説で知った。
その慈愛と惜別に満ちた言葉に驚いたので、紹介したいと願った。