急に涼しくなり、夜になるとカンタンが鳴き出した。

季節は来ると、自然に生きるものが存在を表す。
摂理ながら、繰り返して来たことだ。
河鍋暁斎の絵を見に行く。

まず描く対象の範囲が広く、筆の器用さが目立つ。
展覧会がやや散漫な気がしたが、描かれている戯画には惹かれた。
鍾馗と鬼の相撲、鯰たち、蛙たち。
細かい部分に、人間らしさが感じられ、笑みがこぼれる。
明治に、これだけユーモアのある戯画を描く人がいたことが嬉しい。
なぜ明治かといえば、世界の一等国を目指して、
富国強兵に励んでいた最中だからだ。
そういう視点で考えれば、暁斎の才能に舌を巻く。
飄然として、時代にかかわりなく、好きな風に吹かれるように生きる男の
姿が見えて来る。いいなあ。