雨が降る夕暮れ、夕顔が咲いた。
本当に胡粉で描いたような白さだ。
源氏物語に、その名が出て来る夕顔。
なるほど、日本人の惹かれる花の美しさは
こうした花だったのかと、しみじみ思う。
素直な美しさに技巧をプラスしたのは、
明治時代に入ってからの西洋化だったような気がする。
洋花には凛とした美しさはない。
華やかさが表に出ている。
これは花だけのことではない。
華やかさだけでなく、素朴さや単純さにも
ストーリーがあるはず。
これからの薄暗さにほんのり浮かび上がる白さ。
昨年も見たはずなのに新鮮さを覚える。
薔薇や向日葵にはない静けさがある。
思わず、指でふれてみた。
夏のエピローグ。