最近、ホットケーキを目玉にしている喫茶店、いやカフェが市内に増えて来た。

それも柔らかくて、生クリームをたっぷり乗せたものばかりだ。

やはり、ホットケーキは蜂蜜とバターで口にする単純なものがいい。

表面がややパリッとしているホットケーキ。

急に、ホットケーキを食いたくなった。

家人に昼飯にホットケーキを作ってくれるように頼み込む。

皮がパリッとして、ナイフの先がゆっくりと沈み込むやつだった。

昔からの願望といえば、願望と言える。

あら、うれしや。家人にしては上出来の味に仕上がった。

子供時分はホットケーキが高くて、

なかなか食わせてもらえなかった思いがある。

町でホットケーキを食わせる食堂はなかった。デパートの食堂ぐらいか。

それで、一人で東京生活をし始めたとき、

一番先に当時の池袋・丸物の食堂にホットケーキを食べに寄った。

学校の帰りでもあったが、一度きりのささやかな贅沢であった。

百二十円ぐらいだったろうか。八十円?

まだ、上京したばかりで友人もいない頃である。

蜜が入ったステンレスの小カップ、使い慣れないフォークとナイフ。

美味しかった。男一人で、ホットケーキを食うにも違和感はなかった。

腹一杯食いたくたくても、我慢したものがホットケーキの他にもいっぱいある。

みかんの缶詰、苺、海老フライ、それらの逆襲について、

次から折々に書いてみよう。