近所のNさんからササユリをもらう。庭に咲いていたものだ。
花を三つつけている。
香りが強い。なんとも言えない、深山の香りと言おうか。
前の庭にもササユリを山から採って来て植えたことがある。
いつの間にか、誰かに盗まれた。
ササユリは野趣に富んだ、日本の最後の花のような気がする。
誰にも見つからずに咲いても、その香りで存在が知られてしまう。
その場合、香りが強いと言うことは進化だろうか、退化だろうか。
寝ていても、戸の隙間から匂ってくる。
漱石の夢十夜にも出て来たササユリ。
気になる人は文豪だけではない。
花が好きな人なら皆、惹かれる。
ササユリ野村